こうなることは予測できたでしょ?|アパレル業界の「今」を見て思うこと

中小企業経営

まいど、あーくんです。

現在は自称サイドFIREを実践中。

そして今、業界の急激な悪化を受けて、完全FIREへ向けた準備を進めています。

私が働いているのは、国内の中小製造メーカーなどに幅広く資材を卸しているアパレル関連業界です。

衣料用。

カバン用。

靴用。

雑貨用。

これまで30年近く、この業界を見てきました。

そして今、正直に言うと、

「いよいよ来るところまで来たな」

と感じています。

私の会社も8月は記録的な売上です。

もちろん、悪い意味で(笑)。

仕事がありません。

取引先から聞く話も似ています。

「売れない」

「値上げしても追いつかない」

「人がいない」

「コストが高い」

「先行きが見えない」

「なんか他に仕事はないかな?」

どこへ行っても、だいたい同じ話です。

このブログでも何度か書いていますが、私は今後数年のうちに、(川上から川下までの)アパレル関連企業はかなりの淘汰が進むと考えています。

3割減は十分あり得る。

もしかすると、5割近くの企業が姿を消す可能性だってある。

もちろん、これは私個人の予想です。

業界全体を統計的に分析した専門家の話ではありません。

ただ、30年近く現場を見てきた人間として、

「これは単なる不況ではない」

という感覚だけは、かなり強く持っています。

そして最近、周囲の人たちと話していて思うことがあります。

それが今回のタイトル。

「こうなることは予測できたでしょ?」

です(笑)。


「今だけ耐えれば戻る」という話ではない

まず、今回の不況の原因を細かく説明するつもりはありません。

原材料価格。

エネルギー価格。

物流費。

人件費。

為替。

人手不足。

消費者の節約志向。

海外勢との競争。

EC化。

さまざまな要因があります。

興味のある方は、このブログでも過去に何度も書いていますので、そちらを読んでいただければと思います。

私が今回言いたいのは、そこではありません。

私が感じている最大の問題は、

「これまでのビジネスモデルそのものが限界に来ているのではないか」

ということです。

きっかけとして大きかったのは、ウクライナ情勢以降の物価上昇だったと思います。

しかし、私自身はもっと前から変化を感じていました。

10年以上前から、少しずつマグマが溜まっていた。

それが、

コロナショック。

ウクライナ情勢。

インフレ。

人手不足。

こうした出来事をきっかけに、一気に表面化した。

そんなイメージです。

だから、

「今を耐えれば、いつか昔の状態に戻る」

「今は耐えよう」

という考え方には、私はかなり疑問を持っています。

たぶん、もう戻りません。

というより、

「戻る必要がないところまで時代が進んでしまった」

のではないでしょうか。

これまでと同じやり方で商売をして、

これまでと同じように売れて、

これまでと同じように利益が残る。

そんな時代には、もう戻らない。


小手先の改革では、もう間に合わない

これまでなら、

「ちょっと営業を頑張ろう」

「少し値上げしよう」

「新しい商品を増やそう」

「人を一人増やそう」

といった対応でも、何とかなる場合がありました。

しかし今は違う。

小手先の改善だけでは、追いつかない。

そもそもの仕組みを変えないといけない。

販売方法。

仕入れ方法。

在庫管理。

商品開発。

営業方法。

人員配置。

IT化。

AIの活用。

そして、

「そもそも何を売るのか?」

というところまで考え直す必要がある。

つまり、

会社そのものを作り替えるくらいの改革が必要な時代

になっているのではないでしょうか。

というか既にかなり改革を進めていないと生き残るのが難しいレベルに。

ところが、これが簡単ではありません。

長年続けてきた会社ほど、

「今までこれでやってきた」

という成功体験があります。

取引先もある。

従業員もいる。

在庫もある。

設備もある。

借入金もある。

簡単には方向転換できません。

だから変わらなければいけないと分かっていても、なかなか動けない。

そして、その間にも環境は変わっていく。

結果として、

気がついたときには、もう改革する体力が残っていない。

これが一番怖いと思っています。


そして現在、あちこちから同じ話を聞く

最近、取引先などと話をすると、本当に似た話ばかりです。

「なんでこんなに悪くなったんだろう?」

「これからどうすればいいんだろう?」

「どうやったら会社を残せるんだろう?」

「定年までどうしよう?」

もちろん、愚痴を言いたくなる気持ちは分かります。

私だって言いたくなります(笑)。

ただ、私はその話を聞くたびに、

「いや、これって突然始まった話じゃないよね?」

と思ってしまう。

私の感覚では、10年以上前から少しずつ変化していました。

もちろん、コロナショックやウクライナ情勢、その後のインフレまで正確に予想できたわけではありません。

そんなもの予想できる人はいません(笑)。

私自身も、

「こんなに急激に悪化するとは思わなかった」

というのが本音です。

まさに逆複利(笑)

ただ、

「このまま昔と同じやり方を続けるのは危ない」

ということだけは、かなり前から感じていました。

しかも簡単では無いことも理解していた。

だから私は、別の道を作ることにしました。


私が10年以上前から始めた「逃げ道作り」

それが、

セミリタイア・FIREです。

私は最初から、

「会社を辞めてFIREするぞ!」

と考えていたわけではありません。

もともとはイマイチ給料に納得していなかったので単純に資産を増やしたかっただけです。

ところが仕事を続けていくうちに、

「この業界、これから大丈夫なのか?」

という疑問がどんどん大きくなっていった。

「給料がなかなか増えない構造的な問題が少しずつ分かってきた」

そこで、

「会社がなくなっても生活できるようにしておこう」

と考えるようになりました。

給料から貯金する。

投資する。

無駄な支出を減らす。

資産を少しずつ増やす。

そして、いつか会社に依存しなくても生きられる状態を作る。

これを10年以上続けました。

もちろん、当時は今ほど資産があったわけではありません。

2000万円に到達することすら、

「これ、本当にいけるのか?」

と思っていました。

それでもコツコツ続けた。

結果的に、資産は想定以上に増えていきました。

そして今では、

「完全FIRE」という選択肢が現実的に見えるところまで来た。

これは本当に大きかったと思います。


「これからどうするの?」と聞かれるのが一番困る(笑)

最近、取引先や周囲の人から、

「これからどうするの?」

と聞かれることがあります。

これ、答えるのが難しい(笑)。

だって、

「10年以上前からこうなると薄々思っていたので、資産形成してきました。もう十分な資産があるので、会社を畳んでも大丈夫です」

なんて言えません。

言えるわけがない(笑)。

たとえ本当にそうだったとしても、そんなことを言ったら嫌味以外の何物でもありません。

だから、

「まあ、なんとかなるでしょ」

「お互い頑張りましょう」

と答えるしかありません。

本当は、

「私はもう次のステージを考えて用意しています」

と言いたいところですが(笑)。


実は、先に動いた人は既にもう動いている

そして、ここが今回一番言いたいところです。

この10年間を振り返ってみると、

「この人は仕事ができるな」

とか

「責任感が強い人だな」

と思っていた人たちは、すでにかなりの人数が業界を離れています。

仕入先。

同業者。

販売先。

立場は違っても、優秀だと思っていた人ほど、比較的早い段階で別の業界へ転職したり、事業を整理したりしています。

資産をしっかり作っていた経営者の中には、

「もう無理に続ける必要はない」

と判断して廃業した人もいます。

単に暇だからと理由で続けている人もいますが、本当に何もしてない(笑)

これ、年齢や性別に関係ありません。

結局、

「逃げ道を作れる人は、早い段階で逃げ道を作っている」

ということなのかもしれません。

もちろん、すべての人がそうできるわけではありません。

家族がいる。

住宅ローンがある。

子供の教育費がある。

借金がある。

転職先がない。

会社を簡単に畳めない。

さまざまな事情があります。

だから、

「なぜ辞めないの?」

と簡単には言えません。

ただ、

「辞められない状態になってから逃げ道を探すのは、かなり難しい」

ということは、今回の経験から強く感じています。

私も今の経済状況でイチからFIREを目指すとしたら、とてもじゃないがハードルが高すぎると感じます。

もう選択肢が(会社に)しがみ付くしかなくなっているはずだ。


私の会社も、まさに「変わらなかった側」

そして、偉そうなことを書いていますが、

私の会社もその一つです(笑)。

改革していません。

というか、

改革する気がない。

これが正直なところです。

だから当然仕事がありません。

もちろん、会社としては最後まで最低限の責任は果たします。

取引先にも迷惑をかけないように整理していくつもりです。

でも、

「ここから会社を大きく成長させよう!」

という気持ちは、もうありません。

なぜなら私は、すでに会社の外に人生の軸を作れたからです。

これがFIREを目指してきた最大のメリットでした。


だから今の私は、業界の不況を少し違う目で見ている

同じ業界の人からすると、

「仕事がない」

「売上がない」

「利益が出ない」

「会社をどうしよう」

という話になります。

当然です。

会社を経営している以上、売上や利益は重要です。

でも私の場合は、

「もう売上が増えなくても、それほど困らない」

というところまで来てしまいました。

これは自分でも不思議な感覚です。

以前だったら、

「今月の売上が悪い」

と聞いただけで胃が痛くなっていた。

今は、

「まあ、そうだよね」

で終わる(笑)。

赤字になっても、

「まあ、仕方ない」

と思える。

もちろん、無責任に会社を放置するという意味ではありません。

無駄に続けると赤字は膨らみますからね、早めの損切りは必要です。

ただ、

「利益を出さなければ人生が終わる」

という感覚がなくなった。

これがFIREを目指して資産を作ってきた最大の恩恵だったのかもしれません。


事務所を「楽園化」しています(笑)

そんなわけで、現在の私は会社人生の締めくくりに入っています。

少し前のブログで書きましたが、最近やっているのが、

「事務所の楽園化計画」

です(笑)。

もう大きな設備投資をする必要もない。

売上を追いかける必要もない。

会社を成長させる必要もない。

だったら、

「残り少ない会社人生くらい、快適に過ごそう」

という考えです。

事務所を掃除する。

不要なものを処分する。

環境を整える。

好きな音楽を聴く。

仕事がなければブログを書く。

そして、

「あと少しだな」

と思いながら過ごす。

以前だったら考えられないくらい、気楽です。


「マジでFIREを目指していて良かった」

最近の私の決め台詞です(笑)。

今、本当にそう思います。

もしFIREを目指していなかったら。

もし資産形成をしていなかったら。

もし10年以上前から少しずつ準備していなかったら。

今ごろ私は、

「やばいどうしよう……」

と必死になっていたと思います。

年齢的にも、今から条件の良い転職をするのは簡単ではありません。

だから会社にしがみつくしかない。

でも、

その「しがみつく先」が、実はかなり危うい。

これが今の私が感じている恐怖です。

会社が潰れない保証なんてありません。

業界が復活する保証もありません。

自分が健康で働き続けられる保証もありません。

だからこそ、

「会社がなくても生きていける状態」

を作っておくことが重要だった。

私はそれを10年以上かけて作ってきました。


「こうなることは予測できたでしょ?」

もちろん、未来を正確に予測できたわけではありません。

コロナショックも。

ウクライナ情勢も。

これほど急激なインフレになることも。

私は知りませんでした。

ただ、

「このままではいずれ厳しくなる」

という感覚はありました。

だから私は、

会社を変えるより先に、

自分の人生を変える準備を始めました。

これが正しかったのかどうかは分かりません。

でも、少なくとも今の状況を見る限り、

「やっておいて良かった」

とは心から思います。


FIREは「会社を辞めるため」だけではない

FIREを目指すというと、

「仕事を辞めたい人」

というイメージがあるかもしれません。

実は私も最初はそうでした(笑)。

でも、実際に資産を作ってみて分かったのは、

FIREの本当の価値は、逆説的だが、

「辞められること」ではなく、「辞めてもいいこと」

なのかもしれない、ということです。

会社にしがみつくしかない。

仕事を失ったら生活できない。

嫌でも働かなければならない。

そんな状態から、

「別に辞めても何とかなる」

という状態になる。

これだけで精神的な自由度がまったく違います。

そして不思議なことに、

「辞めてもいい」

と思えるようになると、仕事に対する恐怖も小さくなります。

私が今まさにそれを実感しています。


まとめ|結局、逃げ道は元気なうちに作っておくしかない

今回の記事は、少し愚痴っぽくなってしまいました(笑)。

すみません。

ただ、30年近くこの業界を見てきた人間として、今の状況にはかなり危機感を持っています。

そして同時に、

「もっと早く準備しておけば良かった」

という人が、これから増えるのではないかとも思っています。

会社が苦しくなってから資産形成を始める。

仕事がなくなってから転職先を探す。

会社が危なくなってから廃業を考える。

体力がなくなってから老後資金を考える。

もちろん、それでも間に合う場合はあります。

でも、

できれば、その前に準備しておいた方がいい。

私自身、10年以上前から少しずつ準備してきたからこそ、今こうして比較的冷静に状況を見ることができています。

業界はこれからどうなるのか。

私にも分かりません。

3割減で済むのか。

5割近く減るのか。

もっと違う形になるのか。

ただ一つだけ思うのは、

「昔と同じ時代には戻らない」

ということ。

だったら、

「いつか元に戻る」

と期待するより、

「戻らないことを前提に、自分はどうするのか?」

を考えた方がいい。

私の場合は「FIREを目指す」という手段だっただけのこと。

私はそう考えて、10年以上前から資産形成を続けてきました。

そして今、

会社を畳む準備をしながら、次の人生を考えています。

事務所を掃除しながら、

「もう少しだな」

と思う今日この頃。

もう売上を追いかけるゲームからは、そろそろ降ります。

これからは、

「どうやって会社を成長させるか」ではなく、

「どうやって残りの人生を楽しむか」

を考えたい。

そう考えられるようになっただけでも、

10年以上続けてきた資産形成には十分な価値がありました。

そして最近、つくづく思います。

マジでFIREを目指していて良かった。

ほんと、

「こうなることは予測できたでしょ?」

なんですよね(笑)。

数件の比較的仲の良かった取引先にはかなり前から「準備しておいた方がいいかも」と話していました。

全く準備している気配はないですけど(苦笑)

でもまあ、未来は誰にも分かりません。

だからこそ、

分からない未来に備えて、今できることをやっておく。

結局、それしかないのかもしれません。

さて、私はそろそろ次のステージへ行きますか。

 

コメント

  1. 黒田順之助 より:

    読んでいて複雑な懐かしさを覚えています。
    前職の理美容卸商も斜陽化著しく営業会議で売上漸減どうしよう?と成り
    小まめに得意先を一軒でも多く回ろう。
    と何か精神論みたいな不毛な事ばかり提案された。
    いや…ネットで頼めば2営業日で届くのに我々に頼んだら1週間後ですよ?誰が頼むの?
    と思ってたし「う〜ん…」と言ったら
    「何か提案在る?とにかく頑張るしか無いだろ!」と言われました。
    「え?」と言ったら「出来る事を実行するしか無いだろ」と返ってきた。
    「もうオワコンで出来る事なんて無いよw」と思ってたが言える訳無いし黙ってたら「頑張ろうや!俺達にはコレしか無いんだし」と言われました。
    いや、私は投資してるし一緒にされてもな…と思ってましたw
    マジで就労してても未来に対する閉塞感しか無かった。
    そんなモン頑張れる訳無いし非効率過ぎますしね。
    だから客先で投資を知った時は青天の霹靂でしたよ。
    私は種銭100万円から投資を始めた。
    百万円なんて普通は何とか作れる。
    そして投資は非公開でも無い普通にアクセス可能な事です。
    たった百万円から始めて20年後に就労から脱却した。
    別にコネも特権も無い。
    現状維持を望むと言う事は他の選択肢を毎日却下し続ける。と言う事。
    そりゃあ現状はアンタの結果責任でしょうよ?って話です。

    未だに社長達は旧態依然な商売をしていると前職顧客から聞いています。

    ソレも自分が選択した結果ですね。

    • あー君 より:

      >黒田様
      いつもコメントありがとうございます。
      まあでも社長の意見も分からんでもない(笑)
      もうそう言うしかないですもんね。
      私も昔、会議で結局こんな答えしか出ませんでしたもん(苦笑)
      でもやればやるほど無理ゲーだと感じて、逃げ道を作ることに必死なりましたね。
      あらゆる投資や副業にチャレンジして、残ったのが今のやり方。
      私の場合は仕事で出来る選択肢が狭まっているのを感じたので、考えに考えて、「枠の外に出るしかない」ということになりました。
      これが功を奏して今があるのですが、業界の現在はさらに拍車をかけてドン底へ向かっています。
      下げ止まらない。
      しかし私はそれに対し別に対策なんてものはもう何もしない。
      なぜなら黒田さんと同じで別の柱が出来たから。
      今日なんて、仕事でほとんどやることが無かったから、ブログ記事を更新したことと、事務所でプレステをするべく、整備していました。(家にあるやつを持ってきたのですが古すぎて誇りまみれで・・・)

      • 黒田順之介 より:

        多分、社長が一番逃げ出したいと思いますw
        だって社長が一番働いて居るし…
        本当に気の毒だなぁと思いました。
        そんな事言えませんけどねw
        職場でプレステ設置なんて素晴らしいですね。
        コレが家だと何と言う事も無い。
        職場が良いんですww

        • あー君 より:

          >黒田様
          ありがとうございますww
          家の倉庫に眠っていたプレステ2を出して、再稼働すべく再点検中です。(画像は出るようになったが今度はなぜか音が出ない)
          もう会社にいるのも残り少ないと感じていますので、最後を楽しむべく仕事以外の事を色々としてみます。
          仲の良い同業の社長は「まだか?」と催促がきています(笑)
          桃鉄勝負をする予定。
          もう遊びに会社に来ているwww

タイトルとURLをコピーしました