まいど、あーくんです。
私は現在、完全FIREを目指しながら、節約と資産運用を続けています。
過去の記事を読んでいただいている方はご存じかもしれませんが、現在の事業は廃業する方向で進めており、完全FIREまであと一歩という段階です。
FIREを目指し始めた約10年前から、私はさまざまなFIREシミュレーターを使ってきました。
そして現在は、自分で作成した【あーくん式FIREシミュレーター】を実際のFIRE計画に使用しています。
今回は、私自身の資産状況をもとに、
**「52歳・金融資産9000万円の状態からFIREすると、資産は将来どうなるのか?」**
をシミュレーションしてみます。
なお、現在の総金融資産は1億円を突破しましたが、実際には法人の借入返済や車の買い替え費用を考慮し、FIRE開始時の資産は**9000万円**として計算します。
最初に結論を言うと、条件をそのまま入力した場合は、資産枯渇年齢が109歳という結果になりました。
しかし、年金開始後の生活費をインフレに合わせて修正すると、資産枯渇年齢は93歳まで短くなりました。
同じ資産、同じ運用利回りでも、生活費の設定方法だけで結果が約16年も変わったのです。
今回の記事では、実際の入力条件とともに、インフレがFIRE計画へ与える影響を検証します。
今回のFIREシミュレーション条件
まずは、今回私がFIRE時に計画している最初に入力した諸条件です。
開始年齢:52歳
現在の年齢は52歳です。
実際は本格的に完全FIREを開始するのは、事業の整理が終わった後の53歳頃になります。
ただ、今回は現在の年齢である52歳からシミュレーションを開始します。
1年程度の違いなので、今回の長期シミュレーションでは大きな差にはならないと考えています。
初期資産:9000万円
先日、金融資産1億円を達成したとブログで報告しました。
ただし、実際のFIRE開始時には9000万円程度になると想定しています。
理由は、近いうちに廃業予定の法人の借入金を、自分の資産から一括返済する予定だからです。(現金かき集め中)
毎月の返済負担を早くなくし、FIRE後の生活をできるだけストレスなくシンプルにしたいというのが最大の理由です。
さらに、中古車の買い替え費用も考慮しています。
法人の借入返済と車の買い替え費用を合わせて約1000万円強を見込み、今回のシミュレーションは初期資産を9000万円に設定しました。
年間生活費:400万円
FIRE開始後の年間生活費は、400万円を予定しています。
住宅ローンなどの個人の借入は残っていないため、夫婦2人だけなら年間300万円程度でも問題なく生活できると思います。
ただし、FIRE後はちょっとした旅行や外食も楽しみたいです。
なので少しだけ余裕をもたせた年間生活費にしています。
また、現在の法人を資産運用会社として維持する可能性もあるため、その維持費も考慮しています。
そのため、今回は余裕を持たせて年間400万円で計算しました。
年金開始後の生活費:324万円
65歳以降の年間生活費は、324万円に設定しました。
この金額は、夫婦2人の高齢世帯の生活費に関する家計調査を参考にしています。
ただし、これは現在の金額(データ)をもとにした仮の設定です。
将来の生活費は正確には分かりませんし、現在のようにインフレが続くなら、将来的には修正が必要になる可能性があります。
今回はまず、
**「もし現在の私が65歳なら、年間324万円程度で生活するだろう」**
という前提で入力しました。
後ほど、この設定に大きな問題があることが分かります。
年間サイド収入:0円
年間サイド収入は0円です。
この項目は、サイドFIREを予定している方向けの入力欄です。
アルバイト、短期契約社員、自営業、家賃収入など、FIRE後も一定の収入を得る予定がある場合は、年間の想定収入額を入力します。
私は現時点では完全FIREを目指しているため、今回は0円に設定しました。
運用利回り:3%
FIREでは、よく「4%ルール」が話題になります。
ただし、4%ルールは米国の過去データをもとにインフレ率を引いた実質利回りを想定した考え方であり、将来の運用成果を保証するものではありません。
また、私のポートフォリオは比較的守備的です。
現在は、おおむね以下のような資産配分になっています。
- 株式:約40%
- 現金や国債など:約30%
- ゴールドやBTC:約15%
- 残り:買い増し用の待機資金
長期的な期待利回りは3~4%程度と考えていますが、今回は厳しめに見積もり、運用利回りを3%に設定しました。
インフレ率:2%
インフレ率は年間2%に設定しました。
理由は、日本銀行の物価安定目標が2%であることと、近年の日本では物価上昇率が2%を超える状況が続いているためです。
今後ずっと高いインフレ率が続くとは限りません。
しかし、長期平均では年間2%前後のインフレを想定しておく必要があると考えています。
実質利回り:約1%※ここは入力できません。自動計算されます。
運用利回りを3%、インフレ率を2%に設定したため、参考値としての実質利回りは約1%です。
かなり悲観的な設定かもしれません。
ただ、私はFIREのシミュレーションでは、楽観的な数字よりも厳しめの数字で確認した方が安心できます。
ひとつのミスで致命傷になることをなるべく避けるために敢えて厳しめに設定しています。
年金開始年齢:65歳
年金の受給開始年齢は65歳に設定しました。
繰上げ受給や繰下げ受給については、現時点では決めていません。
今のところは、一般的な65歳からの受給を想定しています。
年金支給額:年間180万円
年金は、夫婦2人の合計で年間180万円に設定しました。
年金定期便を確認すると、夫婦ともに60歳まで働き、保険料を現状レベルで納め続けた場合は、年間250万円近く受給できる可能性があります。
ただし、夫婦そろってFIREした後は、社会保険料や年金保険料の負担をできるだけ抑える予定です。
そのため将来的には若干ですが減額される想定です。
また、将来の制度変更や受給額の変化も考慮する必要があります。
そのため、今回はかなり余裕を見て年間180万円としました。
私は年金に関してはとにかく改悪される方向へと進むと思っていますので減額して計算します。
年金改定率:1%
年金は毎年同じ金額ではなく、賃金や物価の変動などをもとに改定されます。
ただし、マクロ経済スライドの影響もあり、年金額が物価上昇に完全に追いつくとは限りません。
将来の年金改定率を正確に予測することはできないため、今回はインフレ率2%より1%低い、年間1%で設定しました。
実際の改定率は年によって異なりますが、今回のシミュレーションでは比較的に保守的な前提として考えています。
サイド収入終了年齢
今回は年間サイド収入を0円に設定しているため、この項目は結果に影響しません。
最初の条件でのシミュレーション結果は
ここまでの条件を入力した結果は、次のとおりでした。
- 資産枯渇年齢:109歳
- 90歳時点の資産:約5500万円
一見すると、かなり余裕があるように見えます。
90歳の時点でも約5500万円が残り、資産が尽きるのは109歳という結果です。
「9000万円あれば、52歳からFIREしても問題なさそうだ」
そう思うかもしれません。
しかし、この結果には重要な注意点があります。
【重要】65歳時点の生活費を確認してください
あーくん式FIREシミュレーターでは、毎年の資産状況の経過を確認することが出来ます。
次の画像で、64歳と65歳の生活費を見てください。
緑色のカーソル部分を見てください。
65歳以降の生活費として入力した324万円は、あくまで**現在の金額をもとにした生活費**です。
64歳までは、年間2%のインフレによって生活費が増加しています。
しかし、65歳になると、生活費が最初に入力した324万円へ切り替わっています。
つまり、65歳になるまでのインフレが反映されていません。
今回の条件では、
- FIRE開始後の年間生活費:400万円
- 年金開始後の年間生活費:324万円
となっています。
324万円は、400万円の81%です。
つまり、私は年金開始後は生活費を約19%減らす想定です。
そこで、64歳時点の生活費に、この81%を掛けて計算します。
64歳時点の生活費は約507万円でした。
その81%を計算すると、
**約411万円**
となります。
したがって、インフレを考慮した65歳時点の生活費は、324万円ではなく約411万円として入力する方が、今回の前提には合っています。
年金開始後の生活費を再入力
そこで、年金開始後の生活費を、先ほど計算した約411万円へ変更します。
下記の画像はきっちりと計算したので4109103円となっています。
すると、結果は大きく変わりました。
- 修正前の資産枯渇年齢:109歳
- 修正後の資産枯渇年齢:93歳
年金開始後の生活費をインフレに合わせて修正しただけで、資産寿命は約16年短くなりました。
これは、私自身もかなり驚いた結果です。
インフレの怖さを実感した
ここまで長期に渡り2%のインフレが続くとは考えられないかもしれません。
しかし日本が戦後からバブル崩壊までの約40年間(石油ショック時を除き)を一貫してインフレが続いたことを考えると可能性はゼロではありません。
逆に私は就職氷河期世代で、「失われた30年」と呼ばれた長期デフレの時代を生きてきました。
現在とは逆に、物価がほとんど上がらない時代です。
一見うらやましいと思うかもしれませんが、とんでもない(苦笑)
中小企業で働いてきた私の場合、昇進しなければ定期昇給もほとんどありませんでした。
そのため、今でも長年ほとんど給料が上がっていない人は珍しくありません。
私も30歳半ばくらいからこの事実に気づき、副業や資産運用で少しでも収入を増やさないとジリ貧になる可能性から今に至ります。
しかし、今後も年間2%程度のインフレが続いた場合、生活費は少しずつ増えていきます。
今回のシミュレーションでは、52歳から64歳までの約13年間で、年間生活費が約100万円増えました。
年間2%という数字だけを見ると、それほど大きく感じないかもしれません。
しかし、長期間続くと生活費への影響は非常に大きくなります。
しかも、現在は賃金の伸びが物価上昇に追いついていない人も多い状況です。(私もそのひとり)
FIRE後は給与収入に頼れないため、インフレによる生活費の増加は、より重要な問題になります。
今回、あーくん式FIREシミュレーターを何度も試してみて、私が最も強く感じたのは、この「インフレの怖さ」でした。
インフレは資産を増やすチャンスにもなる
ただし、インフレには悪い面だけではありません。
一般的に、インフレによって現金の購買力は低下する一方、株式や不動産、ゴールドなどの資産は価格が上昇しやすい傾向があります。
私自身、実質的な給与が伸び悩む一方で、この数年間は金融資産が大きく増えました。
インフレ率2%の話と同様に複利の効果もあると思いますが、インフレが本格化する前と後では、資産の増え方に変化を感じています。
これは株式だけではありません。
実物資産であるゴールドや不動産も、インフレの影響を受けやすい資産です。
そのため、私はインフレを単なる恐怖の対象とは考えていません。
インフレは生活費を増やすリスクである一方、うまく利用できれば資産を増やすチャンスにもなり得ます。
少なくとも、長期デフレの時代よりは、資産運用で利益を得る機会が増える可能性も大きくあります。
まとめ|FIREでは「資産額」だけでなく生活費の将来も重要
今回のシミュレーションでは、52歳・初期資産9000万円から完全FIREした場合を検証しました。
最初の結果は、資産枯渇年齢109歳でした。
しかし、年金開始後の生活費をインフレに合わせて修正すると、資産枯渇年齢は93歳まで短くなりました。
今回の検証で分かったのは、
**FIREのシミュレーションでは、初期資産や運用利回りだけでなく、将来の生活費をどのように設定するかも非常に重要**
ということです。
FIREを目指し始めるとどうしても金融資産額や運用利回りばかりに目が行きがちですからね。
特に、現在の生活費をそのまま将来の生活費として入力すると、インフレによる影響を見落とす可能性があります。
一方で、今回の結果は「52歳・9000万円ではFIREできない」という意味ではありません。
生活費を年間400万円から300万円へ抑える。
一部だけでもサイド収入を得る。
運用利回りを改善する。
年金の受給方法を見直す。
このように、条件を少し変更するだけで結果は大きく変わります。
特に私の場合は設定を厳しめにしがちです(笑)
FIREは、一度シミュレーションして終わりではありません。
資産、生活費、運用状況、物価、年金などの変化に合わせて、定期的に条件を見直すことが大切だと思います。
私も今後、実際のFIRE生活に近づくにつれて、条件を修正しながら何度もシミュレーションを続けていく予定です。
今回使用した【あーくん式FIREシミュレーター】は、以下の記事で無料公開しています。
【関連記事】
【無料配布】FIREシミュレーター(Excel版)|インフレ・年金・サイド収入対応【資産寿命を100年シミュレーション】

また、シミュレーターの基本的な使い方や、設定時の注意点については、こちらの記事で解説しています。
【関連記事】
FIREシミュレーターの使い方|失敗しないための設定ポイントと注意点






コメント
相場が急落して、金融資産が9,000万円から6,000万円まで減ったとしても、冷静に取り崩しを続けられる自信はありますか?
FIREでは平均利回りよりも、こうした局面で計画を守れるかの方が重要な気がしています。
相場が暴落しても、生活費や物価が同じ割合で下がるわけではありませんしね。
読後感が悪いコメントで失礼しました。
枯渇するのも怖いけど資産が余って骨折り損。
と言うのも馬鹿げてる。まぁ一番馬鹿げてるのは
タラレバで判断を先延ばしする事だけど…
>黒田様
いえいえ全然問題ありませんよ(笑)
コメントありがとうございます。
むしろFIREを考える上では、かなり重要なご指摘だと思います。
おっしゃる通りで、今回のシミュレーションでは「平均的に3%で運用できた場合」という前提で計算していますが、実際のFIREでは平均利回りだけではなく、**暴落したときに自分がどう行動できるか**の方が重要だと私も思っています。
例えば金融資産9000万円が暴落で6000万円になったときに、
「怖くなって株を売ってしまう」
「生活費を減らせず、そのまま取り崩し続ける」
「FIREそのものを後悔してしまう」
となれば、シミュレーション上は成功していても、現実にはかなり厳しいですよね。
しかもご指摘の通り、株価が30%下落したからといって、食費や光熱費まで30%下がってくれるわけではありません。
ここは私もFIREを実際に考える上でかなり意識しています。
だからこそ私は、シミュレーション上の「資産が何歳まで残るか」だけではなく、
・暴落時にどこまで耐えられるか
・現金や債券をどれくらい持つか
・生活費を一時的に減らせるか
・必要なら少しだけ働けるか
このあたりも含めて考えています。
正直に言えば、9000万円が6000万円になったときに「絶対に平常心でいられます!」とは言い切れません(笑)。
おそらく実際にはかなり動揺すると思います。
ただ、そういう状況が起こることを想定した上で、それでもFIREを続けられる資産配分や生活費にしておくことが大切なんでしょうね。
そして最後の、「タラレバで判断を先延ばしする事が一番馬鹿げている」という部分も、本当にその通りだと思います。
私自身も「あと1000万円あれば……」「もう少し資産が増えたら……」と考えて引き延ばしてしまうタイプなので、これはかなり耳が痛いです(笑)。
結局、FIREは未来を完璧に予測することではなく、**予測できないことが起きても対応できる状態を作っておくこと**なのかもしれません。
今回の記事も「9000万円あれば絶対大丈夫」という話ではなく、自分自身がFIREするために、どこまでのリスクなら受け入れられるのかを考えるためのシミュレーションです。
これをやすことでインフレの怖さも実感できる。
私も長期にわたり資産運用していくと増やすことよりもどのような状況でもなるべく減らさない対策を主にやり始めます。
だからどうしても株式運用だけでなく、利回りが下がるのが承知で現金保有の比率や債券やゴールドなどに投資対象を広げる。
だから利回り3%まで下がっちゃうんですけどね(苦笑)